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会社携帯の利用ルールとは?禁止事項・作り方・規程テンプレートを紹介

2026-10-09 2026-10-09

会社携帯の利用ルール:禁止事項・作り方・規程テンプレート

会社携帯を従業員に貸与するなら、利用目的や禁止事項を最初にはっきりさせておきたいところです。ルールが曖昧なまま運用すると、私的利用による通信費の増加、情報漏えい、従業員とのトラブル。いずれも起こりやすくなります。

総
総務担当
社員に会社携帯を配ることになったんですけど、ルールって何を決めればいいんでしょう?
法人通信法人通信
まずは「何に使っていいか」と「何をしたらダメか」ですね。私的利用や休日の扱いも、最初に決めておかないと後で揉めやすいですよ。
総
総務担当
休日に電話が来たら出なきゃいけないのか、聞かれそうです……。

この記事では、そんな悩みを抱える担当者の方に向けて、会社携帯(社用携帯)の利用ルールに盛り込むべき項目や禁止事項、作成手順を解説します。そのまま使える規程テンプレートや、ルール違反が起きたときの対応方法もまとめました。

会社携帯に利用ルールが必要な理由

会社携帯に利用ルールが必要な理由は、主に次の3つです。

  • 通信費の適正化: 私用通話や動画視聴などによる想定外の通信費を防ぐ
  • 情報漏えいの防止: 紛失・盗難や不審なアプリによるセキュリティリスクを抑える
  • 従業員とのトラブル防止: 私的利用の可否や休日の対応、破損時の費用負担について認識をそろえる

会社携帯には、取引先の連絡先や業務メールなど、重要な情報が保存されていることも少なくありません。だからこそ、使用目的や禁止事項、端末の管理方法を明文化し、従業員に周知しておくことが大切です。

会社携帯の利用ルールに盛り込むべき8つの項目

まずは全体像から。会社携帯の利用ルールでは、次の8項目を押さえておけば大きな抜け漏れは防げます。

項目ルールに盛り込む内容
利用目的と使用範囲業務での用途、使用できる場所・時間
私的利用の禁止事項私用通話、ゲーム、動画視聴など
アプリ・SNSの利用インストール条件、業務利用の範囲
パスワード・機密情報画面ロック、情報の保存・共有方法
持ち帰り・休日の対応社外への持ち出し、勤務時間外の対応
紛失・盗難・故障報告先、対応手順
利用状況の確認・監視確認する情報の範囲、目的、責任者
退職・異動時の返却返却期限、データの引き継ぎ

①利用目的と使用範囲

最初に決めたいのが、会社携帯を使える業務と場所です。

例えば、営業担当者には外出先での顧客対応を認める一方、店舗スタッフは店舗内での使用を原則とする。このように、職種によって利用条件を変える方法もあります。

あわせて、貸与の対象者や社外への持ち出し条件も定めておくと、運用時に判断で迷わずに済みます。

②私的利用の禁止事項

私的利用を禁止するなら、「私的利用禁止」と一言書くだけでは不十分です。何がNGなのか、具体的な行為まで示しておきましょう。

禁止事項の例は、次のとおりです。

  • 家族や友人との私用通話
  • 業務に関係のないゲームや動画視聴
  • 個人的なネットショッピング
  • 無断での有料サービスへの登録
  • 第三者への端末の貸与

ただし、災害時や家族の急病といった緊急時の連絡まで禁じるのは現実的ではありません。例外として認めておくのがおすすめです。一部の私的利用を認める場合は、認める範囲と通信費の負担方法もセットで決めておきましょう。

③アプリ・SNS・Webサイトの利用

業務に不要なアプリのインストールや、不審なWebサイトへのアクセス。どちらも情報漏えいの入り口になりかねません。

「会社が承認したアプリのみインストール可」とするなど、利用条件を明確にしておきましょう。

LINEやSNSも要注意です。業務で使ってよいのか、使う場合に顧客情報をどう扱うのかを定めておくと安心です。

④パスワードや機密情報の管理

会社携帯には重要な業務情報が保存されるため、セキュリティ対策のルール化は欠かせません。

具体的には、画面ロックの設定、OSの更新、パスワードの共有禁止など。

さらに、業務データを個人用メールやクラウドサービスへ無断で転送しないこと、安全性が確認できないフリーWi-Fiに接続しないことも、ルールに含めるか検討しておきたいポイントです。

⑤持ち帰り・休日・勤務時間外の対応

自宅への持ち帰りや、休日・勤務時間外の連絡対応も、あいまいにしがちな部分です。

例えば、持ち帰りを認める条件、緊急時の連絡方法、勤務時間外に対応した場合の報告方法などを定めておきます。

ここで押さえておきたいのが、「会社携帯を持っている」ことと「勤務時間外も常に業務対応する義務がある」ことは別物だという点です。

厚生労働省のガイドラインでは、労働時間は「使用者の指揮命令下に置かれている時間」とされています。会社の指示で即時対応を求められ、自由に過ごせない状態であれば、待機時間も労働時間と判断される可能性があります。休日や夜間の対応を求めるなら、労働時間の管理もあわせて考えておく必要があります。

⑥紛失・盗難・故障時の報告

紛失や盗難が起きたときに大切なのは、とにかくスピードです。

従業員には、トラブルに気づいた時点ですぐに管理者へ報告するよう周知しておきましょう。報告を受けた管理者は、必要に応じて回線停止や端末の遠隔ロックを行います。

故障や破損も同様です。従業員が自己判断で修理に出さず、まず会社の担当者へ連絡する。このルールがあるだけで、対応がぐっとスムーズになります。

⑦利用状況の確認・監視範囲

適切な運用を続けるには、通信量や通話料金、アプリの利用状況などの定期的な確認も有効です。

ただし、GPSによる位置情報の取得や通信履歴の確認などは、従業員のプライバシーへの配慮が必要です。特に勤務時間外の位置情報の取得は、本当に業務上必要かを慎重に検討しましょう。

個人情報保護委員会のQ&Aでは、個人データを扱う従業員を対象にモニタリングを行う際の留意点として、次のような点が示されています。

  • 目的をあらかじめ特定し、社内規程に定めて従業員に明示する
  • 実施の責任者と、その権限を定める
  • 実施のルールを策定し、運用担当者に徹底する
  • ルールどおりに運用されているかを確認する

なお、MDM(モバイルデバイス管理)を活用すれば、対応する端末や機能の範囲で、セキュリティ設定の一元管理やアプリの利用制限などを行えます。

⑧退職・異動時の返却

見落としやすいのが、退職・異動時の返却です。返却漏れを防ぐため、返却期限と返却先を決めておきましょう。

端末内の業務データは、必要な情報を引き継いだうえで、会社の方針に従って初期化や削除を行います。

端末番号や利用者、貸与日などを管理台帳に記録しておけば、返却状況もひと目で把握できます。

【テンプレート付き】会社携帯の利用ルールの作り方

ここからは、実際に利用ルールを作る手順と、利用規程のテンプレートを紹介します。

業務内容に合わせて利用範囲を決める

まずは、会社携帯を貸与する対象者や利用目的、必要な機能の整理から。

部署や職種によって使い方は異なるため、全社共通の基本ルールを設けたうえで、必要に応じて例外条件を加える方法がおすすめです。

ルールを作る段階で、現場の担当者の声も聞いておきましょう。実際の業務に支障が出ないルールになっているか、事前に確かめられます。

利用規程・貸与誓約書を作成する

利用範囲や禁止事項が決まったら、利用規程として文書化します。

以下は、会社携帯の利用規程のひな形です。

【会社携帯利用規程テンプレート】

第1条(目的)

本規程は、会社が従業員に貸与する携帯電話(以下「端末」という)の適切な利用および管理について定める。

第2条(利用目的)

端末は、会社が認めた業務に使用するものとする。ただし、緊急時の連絡その他会社が別に認める場合はこの限りでない。

第3条(禁止事項)

従業員は、会社の許可なく次の行為をしてはならない。

  1. 業務以外の目的での通話・通信・アプリの利用
  2. 会社が承認していないアプリのインストール
  3. 端末の第三者への貸与・譲渡
  4. 業務情報の個人用メールやクラウドサービス等への転送

第4条(端末管理)

従業員は、画面ロックなど会社指定のセキュリティ設定を維持し、パスワードを他人に知らせてはならない。

第5条(持ち出し・勤務時間外の利用)

端末の社外への持ち出しは、会社が定める方針に従う。勤務時間外に業務対応を行った場合は、所定の方法で上長に報告する。

第6条(紛失・盗難・故障)

紛失・盗難・故障が発生した場合は、直ちに管理者へ報告し、回線停止や遠隔ロックなど会社の指示に従う。

第7条(利用状況の確認)

会社は、情報セキュリティの確保および適正な利用の確認を目的として、あらかじめ定めた責任者により、通信量・通話料金・インストールされたアプリ等の利用状況を確認することがある。確認する情報の範囲と方法は、事前に従業員へ周知する。

第8条(返却)

退職・異動その他会社が求めた場合は、指定期限までに端末と付属品を返却する。

第9条(違反時の対応)

本規程に違反した場合は、就業規則の定めに従って対応する。

附則

本規程は、○年○月○日から施行する。

※このテンプレートは一般的な参考例です。実際の運用では、自社の就業規則や業務内容に合わせて内容を調整し、必要に応じて社会保険労務士や弁護士などの専門家に確認してください。

端末を貸与する際に、利用規程を確認したことや返却義務などを記載した誓約書を取り交わすのも一つの方法です。ただし、規程・誓約書のどちらにも、「紛失時は○万円を支払う」のように弁償額をあらかじめ定める条項は入れないでください(理由は後述します)。

従業員に周知して定期的に見直す

規程は作って終わりではありません。端末の貸与時に内容を説明し、従業員がいつでも確認できる状態にしておきましょう。

特に、禁止事項や紛失時の連絡方法は、具体例を交えて伝えると理解されやすくなります。

テレワークの導入や業務用アプリの変更など、働き方が変わったタイミングでの見直しも忘れずに。

会社携帯のルール違反やトラブルへの対応

ルール違反が起きたら、まずは事実関係の確認から。そのうえで、違反内容に応じて対応を決めます。

私的利用が発覚した場合

私的利用が確認された場合は、利用目的、会社の許可の有無、発生した費用などを確認しましょう。そのうえで、口頭注意や再教育など、違反の程度に応じた対応を検討します。

懲戒処分を行うには、あらかじめ就業規則で懲戒の種類と事由を定め、従業員に周知しておく必要があります。また、処分が客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合は、権利の濫用として無効になります(労働契約法第15条)。処分を検討する際は、専門家への相談をおすすめします。

紛失・破損した場合の弁償

総
総務担当
社員が会社携帯を壊したら、全額弁償してもらえばいいですよね?
法人通信法人通信
実はそう単純ではないんです。

紛失・破損したからといって、従業員に必ず全額を弁償させられるわけではありません。

労働基準法第16条では、労働契約の不履行について、違約金や損害賠償額をあらかじめ定める契約が禁止されています。実際に生じた損害の賠償を請求すること自体は禁止されていません。ただし判例では、請求できるのは損害の公平な分担という観点から「信義則上相当と認められる限度」とされています。故意・過失の程度や会社の管理体制などによっては、大きく減額されたり、請求が認められなかったりすることもあります。

そのため、「紛失した場合は一律5万円を支払う」といった規定は設けないようにしましょう。

また、賃金は原則として全額を支払う必要があります(労働基準法第24条)。弁償額を給与から天引きする運用は、従業員の同意がある場合でも慎重な判断が必要です。

情報漏えいが発生した場合

情報漏えいが疑われるときは、端末の遠隔ロックやアカウント停止など、被害拡大を防ぐ対応が最優先。その後、漏えいした情報や影響範囲を調査し、関係者への連絡や再発防止策を検討します。

個人データの漏えい等(そのおそれを含む)が次のいずれかに該当する場合、個人情報保護委員会への報告と本人への通知が義務付けられています(個人情報保護法第26条)。

  • 要配慮個人情報が含まれる
  • 不正利用により財産的被害が生じるおそれがある
  • 不正の目的によるおそれがある(不正アクセスなど)
  • 本人の数が1,000人を超える

報告は、事態を知った後速やかに(目安は3〜5日以内)行う「速報」と、原則30日以内(不正の目的によるおそれがある場合は60日以内)の「確報」の2段階です。高度な暗号化などの措置が講じられている場合は報告対象外となるケースもあるため、判断に迷ったら個人情報保護委員会の公式サイトで確認しましょう。

なお、2026年7月に改正個人情報保護法が公布され、漏えい等報告や本人通知のルールも見直される予定です。施行までは現行のルールが適用されます。

会社携帯の利用ルールに関するよくある質問

会社携帯の私的利用は会社にバレる?

通信料金の明細や端末管理ツールなどから、私的利用を把握できる場合があります。

ただし、確認できる情報は契約内容や端末設定によって異なります。会社が利用状況を確認する場合は、目的や範囲を事前に周知しておくことが重要です。

休日も会社携帯を持たせていい?

業務上の必要性があれば、休日に会社携帯を持ち帰る運用も考えられます。

ただし、休日の電話対応や待機が労働時間に該当するかは、会社の指示や拘束の程度によって異なります。対応が必要な範囲と報告方法を決めたうえで、労働時間を適切に管理しましょう。

会社携帯の利用ルールは就業規則に記載すべき?

就業規則とは別に、「会社携帯利用規程」として定めることもできます。

ただし、常時10人以上の労働者を使用する事業場では、就業規則の作成と労働基準監督署への届出が義務付けられています(労働基準法第89条)。別規程であっても、懲戒や労働条件に関わる内容を含む場合は就業規則の一部として扱われ、労働者代表への意見聴取や届出が必要になることがあります。

まとめ|会社携帯は利用ルールを明確にして安全に運用しよう

会社携帯を安全に運用するカギは、私的利用の禁止事項、セキュリティ対策、紛失時の対応をあらかじめ明確にしておくことです。

ルールは業務内容に合わせて作成し、従業員への周知と定期的な見直しまでがワンセット。

あわせて、運用を見直すこのタイミングで、現在の契約プランや通信費もチェックしてみてはいかがでしょうか。

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